TOEICはリスニングとリーディングから構成されています。
そのため、言わずもがなですが、TOEICの点数を引き上げるためには、英語のリスニング力の向上が欠かせません。
そこで、リスニング力を向上させるために、多くの人が様々な取り組みをしています。
その中でも、英語ニュースやネイティブの録音された会話をスマートフォンなどで聞き流す方法は、音声を聞き流すだけという気軽さから、一般的に多くの人に取り入れられています。
しかし、本当に、英語ニュース等を聞き流すだけでリスニング力は向上するのでしょうか?
私は、英語ニュース等を聞くだけでは、リスニング力は十分に向上せず、加えてリーディング力の向上が必要だと考えます。
なぜなら、英語ニュース等を聞くだけであれば、スピーカーが何を発音しているかが聞き取れるようになりますが、それが一体どういう文章を意味しているのか、理解できないからです。
そして、理解するためには、リーディング力の向上が必要と考えます。
リスニングのプロセスを、(1)英語の発音を聞き取り、(2)聞き取った英語を瞬時に訳し、(3)それを理解することと仮定します。
英語ニュース等を聞き流す作業を通しては、英語の発音を聞き取る部分は向上しますが、聞き取った英語を訳し、理解するプロセスの能力は向上しないことがわかります。
英語のニュース番組のリスニングを毎日続けて一ヶ月。効果はあった?
実際に、私は、通勤時間を使って、海外のニュース番組のストリーミングをスマートフォンから聞いていました。
聞き始めること1ヶ月。
スピーカーが何を発音しているのか、徐々にわかるようになり、また、スピーカーが話す言葉を反駁する、いわゆるシャドウィングの精度も向上していきました。
しかし、聞こえてくる英語を理解することは出来ず、結局リスニング力の本質的な向上にはつながりませんでした。
それでは、どうすれば、リスニング力の本質的な向上につながるのでしょうか。
私は、リーディング力の向上こそが、リスニング力の向上には必要だと考えます。
リーディングの訓練を積むことで、文章を訳し、理解する能力を向上させることができるからです。
リーディングのプロセスを、リスニングと同様に細分化してみます。リーディングは、(1)英語の文章を目で見て、(2)目で見たの文章を瞬時に訳し、(3)それを理解すること、と仮定します。
すると、リスニングとリーディングの共通部分として、文章を訳し理解するプロセスがあります。
ただ、リスニングと異なるのは、自分のペースで文章を読むことができる点です。
リスニングは、相手の話す速度に沿って理解を進めなければなりませんが、リーディングは、自分が目で文章を追う速度で理解を進めることが可能です。
よって、まずは、リーディングにおいて、ゆっくりとした速度であっても、文章を前から訳し、理解する訓練を積み、そしてそのスピードを徐々に上げて、リスニングにおけるスピーカーの速度まで上げることによって、リスニングの理解力を高めることができると考えます。
私自身としても、リーディング力の向上によって、リスニング力の本質的な向上をできた実感があります。
以上、TOEICのリスニング力向上のためには、英語ニュース等を聞き流すだけではなく、リーディング力の向上を通じた理解力の強化が必要と私は考えます。