かなり昔のことですが、大学受験の英語の勉強で、問題集を毎日解いていたことがあります。
1つは英文和訳の問題集でした。
1日いくつとノルマを決め、辞書なしで解いて行ったのですが、これはなかなか難しいものでした。
なぜ辞書なしが難しいのか、それは単語が難しいからではありません。
自分の知っているのと違う意味で使われていることがあり、そのため解釈に手間取ったからです。
そのような時に限り、辞書を引いてもいいことにしました。
特に、慣用句を日本語に直すのは大変でした。
慣用句というのは、全く違う単語同士が結びつくことで、1つの意味をなしているので、辞書なしではどうしても解くことができません。
その慣用句の単語を1つ1つ訳してつなげて行くと、とてもおかしな文章になってしまいます。
ですから訳している途中で、これは変だなと思った時は、その中心となる単語をまず辞書で探し、慣用句なのかそうでないのかを確かめることにしました。
もちろん中には易しいものもありました。
易しいものばかりが続くと、つい調子に乗っていくつも解きたくなってしまうのですが、そこはきちんとノルマを守ることにしていました。
それを3か月くらい続けていると、慣用句にもなれ、1つの単語にも様々な意味があることがわかったので、以前よりもかなり解きやすくなりました。
しかし受験というのは、限られた時間の中で行われます。
そのため今度は、時間制限を設けてその中で和訳をして行くことにしました。
最初は時間が足りなくなっていたのですが、段々慣れて来て、最初から時間を逆算して問題を解けるようになりました。
その問題集がほぼ終わった時点で、今度はもう一つ難易度の高い問題を解くことにしました。
それは英語の先生から勧められた大学生用のテキストでした。
これは流石に難しく、受験でこのレベルをするべきかどうか迷いました。
しかし先生から勧められたこともあり、やっておいた方がプラスになると思って取り組みました。
この場合は、辞書を使ってもいいことにしました。
というより、辞書を使いながらでないと、初めて出会う単語が結構あって、とても解けなかったからです。
このテキストが終わった時は、もう年末になっていました。
先生は、それが解けたのなら英語の成績は大丈夫だと言って、送り出してくれました。
実はこれをやったことで、試験当日とても助かったことがありました。
そのテキストにあった言い回しの用法や単語が、問題の一部に使われていたのです。
改めて、あのテキストを進めてくれた先生に感謝しました。
結局第一志望だったその大学に合格が決まり、先生にまずお礼を言ったことは今でも忘れられません。